最近の大学受験生は、ゲームやインターネットなど、自己完結的な楽しみに小さい頃から過剰に接して育った世代である。そんな時代環境も、この傾向に拍車をかけているようだ。しかしながら、受験生たちは、自分の日常生活とはまったく違うところにいるカウンセラーに、深い悩みを訴える。私たちカウンセラーは、日々、不思議な出会いをしていると思う。その出会いの中で、受験生たちの自己完結的な悩み方にほんの少し変化が現れることもある。自信をもって悩めるようになるといったらよいのだろうか。悩みを親に少しずつ語り始めたり、小出しに友人に打ち明けたりするようになるのだ。カウンセラーへの相談をきっかけにして、親や友人と「こころの再会」をする作業を始めているようにも受け止められる。悩みの内容は、昔も今も、受験生症候群といわれる神経的疲労が挙げられよう。しかし、その悩み方が、思春期の延長的色彩を帯びるようになったのが、この二〇年での変化のひとつであろう。受験期の悩みをめぐる親との距離が微妙なものとなり、相互に繊細な気配りも必要となったように思える。また、友人と一定の心理的距離を定め、差し障りのない触れ合いに終始するなかで、悩みを心の深層に抱え込んでしまう傾向がうかがえる。これらの変化は、日本における青年一般のメンタリティーの変化、特に大学生の心理の変化と共通するように感じられる。受験生たちは、この二〇年間、時代を映す鏡であった。そして、これからも鏡としてあり続けるのではないだろうか。
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