「良いものをより安い価格」でとはよく言われるが、どのように低価格で成功するかが重要である。今回、西友を買収したウォルマートは、より安い価格で提供する企業として有名だ。客は価格だけでなくその価値を考えて購入する。顧客の期待を上回ることで成功したユニクロなども、低価格による勝利である。それには、納入業者に対する強い交渉力や地代や安い土地への出店・店舗設備・優れた情報システム・低コスト構造の強みが必要だ。コトラーは市場が二〜三年ごとに変化することを見落としてならない。昨年の成功戦略が今日の敗北戦略になっても不思議ではないと言う。そして、顧客は価格だけでなく、その価値を考えて購入することを忘れてならない。価格戦略においてもさらに次の五つのことを考えることだ。(1)よいものをより高い価格で。(2)同じものをより安い価格で。(3)そこそこのものを安い価格で。(4)よいものをより安い価格で。(5)最もよいものを開発し、エブリティーロープライスで顧客本位のものを提供する。ウォルマートの成功の要因は(5)である。二〇〇二年三月一五日米ウォルマートが清遊を実質買収したことが発表された。同社は世界最大のGMSである。
サンエーインターナショナルと同じ規模でアパレル上位にランクされるフランドルは、ファイブフォックスの傘下にある企業だ。独自の経営をしているが、ファイブフォックスと同じくらい手形を切らない。在庫処理年数もきっちりと決める。社員の教育もファイブフォックスに準じて結びつきの強いSPAであり、同業他社とはかなり異る動きをしている企業だ。フランドルのコーポレートカラーはピンクに赤が基本。対象ターゲットも若者向け商品が主体となっている。主にファイブフォックスがカバーしていない女子学生が主な顧客である。将来はファイブフォックスの中のコムサイズムに匹敵するアメリカントラッド感覚のものを志向する。現在、年間売上高は六七九億円(対前年比三・二%増)。一九九八年ごろまでは順調に推移してきたが、一九九八年を境に既存店売上の伸び率が鈍る。二〇〇〇年二月期には期待通りにいかなかった。売上高六七九億(前年比三・二%増)、経常利益五五億(△二三・七%)。同社の特徴は、川上である素材メーカー(東レ、帝人、東洋紡の三社)や商社(三菱商事)との結びつきが強い企業だということである。
カジュアルウェアという言葉が、世界的に市民権を獲得したのもこの時代で、もっぱらハリウッドとハリウッド映画のスターたちが、その役を担ったとされる。だが、そのあたりの事情について、私はこう考えている。当時のアメリカでは、映画は最大の娯楽で、スターたちは今と比べられぬほど大きな影響力をもっていた。ハリウッドはスターを作り、そのスターたちにメイドインUSAのウェアを着せ、それを世界に発信できれば、アメリカそのものの絶好のプロパガンダになる。平時の、国のプロパガンダのてっとり早い方法は、世界的スターか、世界的スポーツ選手を作りあげることなのだ。ナチスもその手法を試みた。レーニンも「大衆を啓蒙するには、映画がもっとも効果的である」と同様のことをいっている。その世界的スターに、あるいはその可能性を秘めたスターに、アメリカの愛する「自由」(カジュアル)を着せれば、アメリカの思想そのものを具現し、世界に発信することになる。実際、当時の映画を、今あらためて観ると、ハリウッド映画のコスチュームは、アメリカのオリジナルが圧倒的に多い。戦前から戦争直後にかけて生まれた日本人は、大半がこのアメリカのプロパガンダの影響を受けている。
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